クレジットカードの現金化について調べてみると、「損をするのでしない方がいい」「カード会社にバレるとトラブルになるのでお勧めしない」などネガティブな情報が記載された記事がたくさんあります。
それにも関わらず、あえてクレジットカードの現金化を利用し続けている人も大勢いるのも事実です。
なぜクレジットカードの現金化にはそんなにニーズがあるのでしょうか?
ここではクレジットカード現金化をする理由や目的について実際に利用している人の声を聞きながら解説しています。
クレジットカード現金化は何のため?
クレジットカード現金化は何のためにするのでしょうか?
これはクレジットカードを利用して現金を工面するための手法です。
これを聞くと
と勘違いする人もいますが、そうではありません。
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードで金券やブランドアイテムなどの換金性の高い商品を購入しそれを売却することで現金を手に入れる方法です。
クレジットカードの現金化を利用すれば、審査を受けることなくすぐにまとまった現金を手に入れることができるのです。
どんな人が利用してるの?現金化する目的を調査
クレジットカードの現金化を利用している人のリアルな声を紹介しましょう。
キャッシング枠を設定していなかったので借りられなかったんです。消費者金融を利用するのはハードルが高いし、気軽に現金が手に入るので便利ですよ。
これらの声をまとめると、
- 急に現金が必要になってしまった
- 消費者金融でお金が借りられなかった
- 審査を受けるのが面倒だった
このような理由から、クレジットカード現金化を利用していることが分かります。
また「借金ではない」という理由で気軽に利用している人が多いようです。
最近は現金化のやり方やメリットについて簡単にネットで調べることもできるので利用のハードルが下がっているのも大きな理由だと考えられます。
損するのにクレジットカード現金化を利用する理由
調査していると、Yahooファイナンスに興味深い情報がありました。
ではYahooファイナンスに寄せられた質問を見てみましょう。
現金化の目的がよくわかりません。「クレカで1万円の商品を買って、その商品を転売などで換金して1万円弱の現金を得る」ことを意味していると思うのですが、単純に損しているだけに思えます。
公式参照:Yahoo!ファイナンス
きっとこの記事を読んでいるあなたも同じように感じているはずです。
この質問者が疑問に思っている通り、クレジットカードの現金化は間違いなく利用者が損をする取引です。
それにも関わらずあえてクレジットカードの現金化を利用する理由は次の通り。
「クレジットカードのキャッシング枠を使い果たしてしまった!」
「融資を受ける時に実施される審査をクリアする自信がない、審査されるのが嫌だ!」
「すぐに現金を振り込んでもらいたい!」
こんなことを考えている人がクレジットカードの現金化を利用するのです。
カードのキャッシング枠ではお金が足りない場合
クレジットカードを発行する時にキャッシング枠を設定することができます。
キャッシング枠を設定をすると、いざという時にはATMを利用してクレジットカードでお金を借りることができます。
しかしキャッシング枠には限度があり、限度額いっぱいになってしまったらそれ以上借りることができません。
クレジットカードの申込み時にキャッシング枠を高めに設定すると審査が厳しくなるため、低めに設定している人も多いです。
そんな人が困ったときに利用できるのがクレジットカード現金化です。
クレジットカードの仕組み上ショッピング枠はキャッシング枠より高めに設定されるので、キャッシング枠を使い果たしても現金化をすると現金を手に入れることができるというわけです。
信用情報に関わる消費者金融の借入記録に残さないため
銀行や消費者金融などで融資を受ける場合、必ず信用情報機関にその情報が残ります。
もちろん記録が残ったからといって特に問題ないのですが、自分の知らないところに記録が残るのは気分がいいものではありません。
ローンやクレジットカードの支払いを延滞したことがある場合その情報も信用情報機関に残ります。
それが原因で融資を受けられないこともあります。
しかしクレジットカード現金化であれば利用する時に情報照会されることがありません。
過去にトラブルがある人はクレジットカード現金化を好んで使う傾向にあるのです。
審査が不要で即日現金を手にしたい場合
前述した通り融資を受けるには必ず審査があり、クリアしなければ融資を受けることはできません。
審査では借りたお金をちゃんと返すことができるか、その人の返済能力が厳しくチェックされます。
お金を借りたい人は経済状況に余裕のない人が多いため、経済的状況についてあれこれ調べられるのは決して気持ちのいいものではないのです。
逆にクレジットカード現金化では審査は必要ありません。
多くのクレジットカード現金化業者では即日対応がセールスポイントとなっており、申し込んだその日のうちに現金を振り込んでもらえるのです。
クレジットカード現金化しないほうがいい理由
ここまで記事を読んで
そんなふうに思った方も多いのではないでしょうか?
確かに金融機関で融資を受けるよりも簡単、スピーディに現金を用意することができそうですよね。
しかし、クレジットカード現金化はあまり推奨はできません。
日本クレジット協会やクレジットカード各社は、利用者にクレジットカードの現金化をしないようにホームページで厳しく呼びかけています。
クレジットカード現金化は違法行為ではありませんが、カード会社の利用規約に反しているグレーな取引だからです。
クレジットカードを使って商品を購入し、その商品を売却するだけなのにどうして?と思うことでしょう。
次項でその理由について解説します。
闇金融と変わらない金利の業者も多いため
「カードで簡単現金化」という触れ込みでクレジットカードで商品を販売し、それを現金で買取して利用者に現金を渡すシステムの現金化業者が増加しています。
どちらの事例も利用者が大きく損をしていることが分かりますが、計算してみると事例1では30%、事例2では34%もの手数料を徴収されています。
クレジットカードで決済した代金は後ほど支払わなければいけないのですが、視点を変えてこれを「現金化業者に支払う金利」と考えると、明らかに法外であり闇金融もびっくりです。
全国の自治体もこうしたトラブルに頭を悩ませており、公式ホームページに注意情報として実例を掲載している自治体もあります。
グレーではあるが違法の可能性もあるため
今のところクレジットカードの現金化について「法的には問題がない」という意見が主流です。
しかし東京弁護士会などは「実質的には貸金業に該当する」とみなしていて、警視庁などをはじめとした関係省庁も違法行為として取り締りを行う姿勢を見せつつあります。
現在、利用者に対する直接的なペナルティはありませんが、クレジットカード現金化は「破産法」に定められている「不当な債務負担行為」に該当する免責不許可事由に当たるとされます。
これによりクレジットカードの現金化で一時的に自己破産で逃れようとしてしまった結果、破産が認められない場合もあります。
なおクレジットカード現金化業者を利用する違法性について詳しくこちらのページで解説しています。
申し込み時の金額での入金がされるわけではないため
現金化業者を初めて利用する人に、申し込み金額がそのまま振り込まれると勘違いする人もいますが、そんなことは絶対にありません。
換金率を高く設定していても、カード決済手数料や振り込み手数料などの名目で費用請求され、手元に入る金額は少なくなるのです。
つまりクレジットカード現金化業者も商売であり、公式ページ掲載の換金率を鵜呑みにしてしまうと「こんなはずではなかった」と後悔することになります。
現金化業者のホームページに掲載されている換金率は全ての条件が揃った最高値であり、初めて利用する人がその換金率で現金化してもらえることはありません。
こういった情報は利用者の口コミや業者の評判をチェックすればすぐにわかるのですが、現金化業者利用者の多くはそういった注意を怠っている人が多いのも原因の一つです。
クレジットカード現金化の口コミで信用できる業者を見極める方法
クレジットカード現金化がバレたときのトラブル
クレジットカードの現金化にはクレジットカード会社との深刻なトラブルがあります。
クレジットカード会社は現金化を目的としたカードの利用を禁止していて、不正利用がないか常にチェックしています。
これまでに購入履歴がないような換金率の高い商品を突然購入していたり、短期間で同じ商品の購入を繰り返しているとカード会社にすぐに疑われます。
- カードの利用停止処分
- カードの強制退会処分
- 利用代金の一括返済の要求
カードが利用停止処分になると、光熱費や通信費などクレジットカードに紐づけていた支払いができず、ライフラインがストップしてしまうリスクがあります。
さらに厳しい強制退会処分になると、今後同じ会社が発行しているクレジットカードだけではなく、系列グループのクレジットカードの発行も一切できなくなってしまいます。
最後に最も厳しい一括返済ですが、これは大変なことです。
そもそもお金がないから現金化をしているにもかかわらず、一括返済するように言われても払えるはずがありません。
このようにクレジットカード現金化には多くのトラブルがあるのです。
クレジットカードの現金化はどんな時に疑われるのか、どうすればいいのかについての詳細はこちらで確認してみるといいでしょう。
クレジットカード現金化でよくある質問
カード会社が現金化を禁止する理由とは?
答えは明確です。
現金化により発生するトラブルを防止するためです。
現金化業者の中には集めた個人情報を不正に利用しているところも少なくありません。
カード現金化を利用する時にはクレジットカードの番号を提出することになりますが、カード番号があれば不正使用することも容易です。
さらに現金化業者利用は住所、氏名、連絡先などがオープンになりますが、これらの情報はヤミ金業者などにとっては喉から手が出るほど欲しい情報です。
業者に言われるがまま決済したのにお金が振り込まれないといったトラブルも後を立ちません。
現金化業者では20%程度の手数料を徴収されますが、これを1日20%の金利と換算すると利息制限法で定められた上限金利を大幅に上回ります。
そもそも現金化業者は貸金業者として認可を受けておらず、無許可で営業しています。
実際に現金化業者はお金を貸しているわけではないので認可はいらず利息制限法の適応範囲外ですが、法の抜け穴をついた業種であることは間違いありません。
クレジットカード会社としてはこのような違法行為の片棒を担ぐわけにはいきませんから現金化を厳しく禁止しています。
フリマアプリで現金をカード購入していいの?
最近はアプリで気軽に利用できるフリマサイトが増えていますが、ここで現金が出品されていることに気がついた人も多いことでしょう。
例えばメルカリなどでは、一万円札4枚4万円を4万5,000円で販売するといった出品が見られました。
理由は分かりませんが、おそらくカード現金化が目的でしょう。
一部のフリマアプリではクレジットカード決済ができるため、カード決済で現金を購入するとカードの現金化ができますね。
このようなユーザーのニーズに合わせて現金の出品を可能にしたメルカリですが、現金化目的で利用する人が現れたため、現在は現金の出品は禁止されています。
またメルカリに限らず、フリマサイトのほとんどでは現金の出品は禁止されつつあります。
クレジットカード現金化は何のため?のまとめ
クレジットカード現金化は損をする取引なのにどうして利用する人がいるんだろう?そんなふうに考えたあなたはとても賢明です。
「すぐに現金が手に入る」「信用情報機関に履歴を残したくない」「そもそも融資してもらえない」
このような理由によりニーズがあるクレジットカードの現金化ですが、たくさんのリスクを伴います。
どうしようもなくなってしまった時には「ワラにもすがりたい」という気持ちで利用したくなるかもしれませんが、利用するのはやめておきましょう。
例えリスクがなかったとしても、あなたが確実に損をする取引であることは間違いありません。